この記事では、パソコンに保存されている Microsoft Outlook(インストール版) のデータファイルをバックアップする方法をお伝えします。
バックアップとは
障害が発生(有事の際)し、データが消失してしまったときの備えとして、データを複製しておくことです。
障害とは
『ハードウェア(デバイス)の故障』『ハードウェア(デバイス)の紛失』『データの改竄』『人的ミスによるデータ削除』などがあります。
バックアップの種類
バックアップには、全データをバックアップする『フルバックアップ』データの一部をバックアップする『ポイントバックアップ』、フルバックアップとの差分のみをバックアップする『差分バックアップ』などがあります。
ここでは、Outlook のデータに対し、フルバックアップを行います。
バックアップの先について
バックアップデータは『メインデータが保存されているストレージとは物理的に異なるストレージにすること』と考えられています。なぜなら『障害とは』で示したように、データはハードウェアが故障することで失われることがあります。同一のハードウェアにデータが保存されていると、バックアップデータも同時に失う可能性があるからです。
物理的に異なるストレージとは、USB接続する『外付けストレージ』、ネットワーク上のストレージ、通称『NAS(ネットワークストレージサーバー)』、DVDやブルーレィなどといった、『外部メディア』などがあります。
バックアップのタイミング
バックアップは、データ消失の寸前であればあるほど、精度が高くなり復旧率が高くなります。
が、データの消失はいつ起きるかわかりません。そのため、バックアップの頻度が高ければ高い(多ければ多い)ほどよい、ということになります。
※実際のところは、頻度はデータの重要度・バックアップ先のストレージ容量などに左右されます。
Outlook のファイル形式(拡張子)
Outlook のデータファイルは、1つの大きなデータとしてまとめられており、Outlookを通じて1つずつのメールとして閲覧することができます。
拡張子とは
何らのファイルを都度同じソフトで開く(アプリケーションで実行する)ためには、ファイルにアプリケーションと紐づけるための記載(印)をつける必要があり、
拡張子をつけることで、どのファイルはどのアプリケーション、という紐づけが行えるようになります。
※Windows10・11 の標準設定では、ファイルの形式(拡張子)を確認することはできません。
拡張子の確認をするためには『エクスプローラー』から『表示』>『表示』>『ファイル名拡張子』にチェックを入れる必要があります。
.pst 形式
メールの受信形式(プロトコル)に『POP3』が使われている場合、ファイルの形式は『.pst』となります。
※一部例外あり。
POP3についてはこちらを参照してください。
.ost 形式
メールの受信形式(プロトコル)に『IMAP』が使われている場合、ファイルの形式は『.ost』となります。
ファイル形式が『.ost』の場合、バックアップの必要性は低いです。
『IMAP』は『POP3』とは異なり、Outlook を使用しているデバイスのみにメールデータがあるわけではなく、別のどこかにあるサーバーに本体のメールデータを残し、そのデータのコピーを使用するデバイスに保存するという方式(プロトコル)だからです。
IMAPについてはこちらを参照してください。
Outlook データのバックアップ方法
『Outlook』を起動し、『ファイル』>『アカウントの設定▽』をクリックします。
『アカウント設定(A)』をクリックします。
現れた『アカウント設定』画面にある、『データファイル』タブをクリックします。
すると「場所」と記載された箇所に、ファイルの保存先(パス)が記載されていますが、
『ファイルの場所を開く( O)』をクリックすることで、ファイルの保存先を開くことができます。
※例にあげているファイルは『.ost』形式ですが、このままバックアップの説明を続けます。
開かれた『エクスプローラー』に、ファイルがあることが確認できます。
バックアップをとるため、Outlookを✕ボタンで閉じます。
※バックアップ作成時にメール送受信などのデータの更新があると、正しくバックアップを行うことができなくなる可能性があるため。
通常の『コピー』『ペースト』を行うことでバックアップを行えます。