事務職に就くとき、パソコンスキルの重要性は避けて通れないテーマです。そして、今日の業界では、文書作成からデータ管理、コミュニケーションの効率化まで、パソコンが中心となる業務が増えています。
しかし、具体的にどのような知識と経験、そしてどれくらいのパソコンスキルが求められるのでしょうか?
この記事では、これから事務職に就く人へ向けて、必要なパソコンスキルとその習得方法を解説します。また、未経験者でも安心して事務職をスタートできるように、基本から応用まで幅広くカバーしていますので、ぜひ最後までお読み下さい。
事務職の種類・仕事内容とは?
事務職は、現代のオフィスにおいて欠かせない職種ですが、その中には多岐にわたる種類と仕事内容があります。一般には、オフィス業務の担当として考えられていますが、業界や企業によって異なる特徴があるため、これらの点を理解することが重要です。
事務職の仕事内容とは
事務職は一般的に、オフィス業務を担当することになりますが、その範囲は広いです。
事務職は現代のビジネスにおいて中心的な役割を果たし、
- 文書作成
- ファイリング
- データ入力
などのオフィス業務を中心に行います。
オフィス業務は、1人につき一台のパソコンが与えられ、そのパソコンを使って日常業務が進行されます。文書の作成からファイリング、データ入力など、パソコンスキルが求められる業務が多いです。
その他にも、
- 電話応対
- 来客対応
などの対人業務も含まれます。
これらもパソコンから
- スケジュール管理
- データを確認・入力
する必要があり、パソコンスキルは必須です。
事務職の種類とは
ここでは、事務職の種類である、一般事務、営業事務、経理事務、人事事務、秘書・アシスタントなどについて説明します。事務職はオフィスの中核をなす重要なポジションで、業務の効率化や組織の円滑な運営に重要な要素です。
事務業務は企業内でのさまざまな業務を円滑に進めるためのパソコンスキルが求められる職種で、その内容と必要な能力は職種によって異なります。
一般事務
一般事務は事務職の中でも基本的な業務を担当する職種を指します。オフィスにおける中心的な業務であり、
- 文書の作成
- ファイリング
- データ入力
- 電話応対
- 来客対応
など、日々のオフィス運営に欠かせない仕事を幅広く手がけます。パソコンスキルも基本的なものから専門的なものまで求められるため、一般事務職は企業活動の中心を担う重要な役割を果たしています。
営業事務
営業事務は、企業の営業部門のサポートに特化した事務職であり、営業チームと密に連携して業務を進めます。
具体的な業務内容としては、
- 見積もりの作成
- 契約書の準備
- 顧客情報の管理
- 営業資料の整理
- 売上データの集計
などが含まれます。これらの業務は、営業活動の効率を高め、顧客満足度を向上させる重要な役割を果たします。
営業事務は、コミュニケーション能力とパソコンスキルが求められることが多く、顧客との関係をスムーズにし、企業と顧客との間の架け橋となるポジションです。
経理事務
経理事務は、企業の財務部門で重要な役割を果たす事務職です。経理事務では、精緻な数字の管理と計算能力が求められます。
具体的な業務内容としては、
- 会計データの入力
- 帳簿の整理
- 請求書の作成
- 支払い処理
- 経費精算
などが含まれます。これらの業務は、企業の財務状況を正確に把握し、健全な運営を支える重要な役割を果たします。
経理事務は、細部にわたる注意力とパソコンスキル、特に財務ソフトウェアの操作能力が求められることが多いです。
人事事務:
人事事務は、企業の人材部門で中心的な役割を果たす事務職です。人事事務では、組織の人材を管理し、社員の働く環境の最適化を行います。
具体的な業務内容としては、
- 採用プロセスのサポート
- 社員データの管理
- 給与計算の補助
などが含まれます。人事業務は、新しい人材の確保から既存スタッフの福利厚生までを行い、企業の成長への貢献と社員満足度の向上につながります。
人事事務は、コミュニケーション能力と詳細な業務への理解、特に労務管理に関連するソフトウェアの操作能力が求められることが多いです。人事事務は、企業と従業員との間の調整役となる重要なポジションです。
秘書・アシスタント
秘書・アシスタントは、企業の上司や部門のリーダーに対して直接的なサポートを提供する役割を果たします。このポジションでは、経営陣の効率的な業務の遂行をサポートし、組織の円滑な運営に貢献します。
具体的な業務内容としては、
- 上司や部門のリーダーのスケジュール管理
- メールの管理
- 会議のアレンジ
秘書・アシスタントは、高いコミュニケーション能力と組織力、専門的なスキル(例:会計や法的知識)が求められることが多く、経営陣と他の部門との間の連携を強化する中心的なポジションです。
事務職に必要なパソコンスキルとは?
事務職の基本的かつ業務を効率的に行うために不可欠な、9つのパソコンスキルを紹介します。
- パソコンの電源のON・OFF操作
- マウスとトラックパッドの操作
- タイピングスキル
- インターネットのブラウジング能力
- 電子メールの送受信
- スケジュール管理
- オフィスソフト(文書作成、表計算、プレゼンテーション)の使用能力
- 印刷・プリントアウトのスキル
- ファイルのデータ管理
これらのスキルは、すべてを完璧にこなす必要はありません。
難易度はまちまちで、内容によっては1度実践すれば大丈夫だったり、反復練習が必要だったりします。
この記事に書かれている目安を確認し、確実にスキルを身につけれるようにしましょう。
電源のON・OFFができる
パソコンの電源のON・OFFの操作は、事務職におけるパソコンスキルの基本中の基本です。これには、パソコンや周辺機器の電源を安全に入れたり切ったりする能力が求められます。
この操作は、パソコンの正しい使用開始と終了を保証し、システムの安定性と寿命を延ばすために重要です。電源の切り方が間違っていると、データの損失やシステムの不安定化を招くことがあるため、正しい方法での操作が必須となります。
機種などにより操作方法は異なりますが、1度実践すればスキルとしては十分と言える内容です。
マウス操作ができる
マウス操作は、パソコンの使用において基本的なスキルの一つです。
特に、
- アプリケーションの起動に使われるダブルクリック
- オブジェクトの移動に使用されるドラッグアンドドロップ
などが一般的な操作です。
ダブルクリックは、主にアプリケーションやファイルの起動に使用される一般的な操作で、マウスの左ボタンを素早く2回クリックします。
ドラッグアンドドロップは、マウスの左ボタンを押しながらカーソルを移動し、特定の位置でボタンを離す操作で、オブジェクトの移動や配置に使用されます。
これらのマウス操作は、パソコン作業の効率を高めるために欠かせない基本スキルであり、初心者から上級者まで幅広いユーザーに求められる能力でので確実に行えるように行えるようになりましょう。
トラックパッドの操作ができる
マウスと似ている存在として、トラックパッドがあります。
トラックパッドは、マウスに代わる入力デバイス(ポインティング・デバイス)で、特にノート型のパソコンでよく見られ、指の動きを感知してカーソルの制御やクリック操作などを行い、マウスと同様の基本操作で動作ます。
さらにジェスチャー機能という、人差し指と親指を広げたり縮めたりする拡大縮小や、スワイプでの画面のスクロールなどの多岐にわたる操作が可能です。
マウスパッドに関しては、上記に示したマウスの動作ができればOKです。
タイピングスキルがある
タイピングスキルは、パソコン操作の基本となります。特に事務職やプログラミングなど、キーボード操作が頻繁に求められる職種では、タイピングの速度と正確性が業務効率に直結します。
タイピングスキルは、キーボードを見ないで文字入力を行う「タッチタイピング(ブラインドタッチ)」を指します。このスキルが身につくと、入力速度が格段に上がり、目で見る必要がないため、他の作業に集中することが可能です。
パソコンに不慣れな人からみれば高いハードルになりますが、タイピングの速度は早ければ早いほど良いのですが、まずは多少遅くともキーボードを見ないでタイピングができるようになりましょう。
タイピングスキルは多くのオンラインツールやソフトウェアがタイピング練習を支援しており、自分の進捗を可視化しながら上達することができます。
ブラウジングができる
ブラウジングができるとは、ブラウジングソフト(ブラウザ)を使い、インターネットを使って調べ物ができることです。
このスキルは、
- 情報収集
- 調査
- コミュニケーション
- エンターテイメント
など、多岐にわたる用途で必要とされます。ブラウザの種類は問いませんが、一般的に使用するものの使い方に慣れることが必要です。
ブラウジングのスキルは、情報化社会において基本的なコンピュータ操作の一つとされています。様々なウェブブラウザ(Google Chrome、Firefox、Microsoft Edgeなど)を使いこなし、効率的にインターネット上の情報を
- 検索
- 閲覧
- 共有
する能力を指します。
安全なブラウジングを行うためには、セキュリティにも注意が必要で、信頼性のあるウェブサイトを利用する、セキュリティソフトを導入するなどの知識も求められますが、ブラウジングは説明した内容が行えればOKです。
電子メールが使用できる
電子メールソフトを使いメールの送受信ができることは、ビジネスコミュニケーションの基本です。
電子メールは、オフィス環境において欠かせないコミュニケーションツールで、顧客とのコミュニケーションや、社内での情報共有、外部との連絡など多岐に渡り使用されます。
電子メールソフトの種類は問いませんが、GmailやOutlookなどの一般的なものが使えると便利です。
電子メールで重要なのは、
- 件名の適切な入力
- 本文のクリアな表現
- 添付ファイルの取り扱い
- 適切な署名の設定
など、ビジネスシーンで求められるメールエチケットの理解と実践です。
また、セキュリティ面でも配慮が必要で、個人情報の取り扱いや添付ファイル(画像ファイル・写真など)のセキュリティチェックなど、安全なメール利用のための知識と技術も求められます。
電子メールに関しては、これらすべてをスキルとして身につけることが理想ですので、実践してましょう。
スケジュール管理ができる
スケジュール管理とは、スケジュール管理ソフトを使い、自身やチームの予定管理ができることです。
これにより
- 時間管理
- プロジェクトの進行状況の追跡
- リソースの割り当て
などが効率化されます。メールソフトと連携して使うものも多く、メールソフトの種類は問いません。
スケジュール管理は、
- 個人のタスク管理から
- プロジェクトの進捗管理
- 会議の調整
まで多岐にわたる用途があります。Google CalendarやOutlook Calendarなどのスケジュール管理ソフトを使うことで、
- 予定の追加
- 変更
- 削除
がスムーズに行え、予定の共有や通知機能なども活用できます。
特に、多くのメンバーで構成されるプロジェクトでは、スケジュール管理ソフトを使用することで、全体のタイムラインが一目で確認できます。このように、スケジュール管理能力は、事務職に必要なスキルです。
実際のスケジュール管理は、実際に直面してみないとスキルとして身につけることは難しいので、ひとまずスケジュール管理ソフトに触れイメージを掴みましょう。
オフィスソフトが使用できる
オフィスソフトは、現代の職場で日常的に使用される重要なアプリです。
主に
- 文書作成(Microsoft Word)
- 表計算(Microsoft Excel)
- プレゼンテーションの作成(Microsoft PowerPoint)
に使用されます。代表的なオフィスソフトにはMicrosoft Officeがありますが、有料なので、無料で使用できるGoogleの製品も人気です。
・文書作成ソフト(例:Microsoft Word、Google Docs)を使うことは、事務作業の基本です。報告書やメモの作成など、多岐にわたり使用されます。
・表計算ソフト(例:Microsoft Excel、Google Sheets)は、数値データの管理や計算が必要な場合に使用されます。会計処理や予算の計画などに役立ちます。
・プレゼンテーションソフト(例:Microsoft PowerPoint、Google Slides)は、会議やセミナーでのプレゼンテーション資料の作成に用いられます。
オフィスソフトに関しては、それぞれ1度は操作を行い、何らかなの資料を作るなどのことを行いましょう。
印刷(プリントアウト)ができる
印刷スキルは、事務職において基本的なパソコンスキルの一つであり、オフィス環境では欠かせない能力です。
そして、資料の紙への印刷や、ファイルのPDFへの変換は一般的な作業であり、これにより情報を配布したり、電子的に共有することができます。
・紙に印刷する
オフィスソフトで作成した資料を共有する必要がある場合、紙に印刷します。印刷には、範囲指定やページ設定などの詳細な設定が必要になることもあります。
・PDFに変換する
電子メールなどで資料を共有する際には、PDFフォーマットに変換するスキルも重要です。PDFは、ファイルの互換性を高めるための一般的なフォーマットで、印刷する要領とほぼ同じ操作で変換できます。
さまざまなデバイス(スマホ、タブレット、パソコン)やオペレーティングシステム(Windows、Mac)間での共有に適しています。
紙に印刷するためにはプリンターが必要です。しかし手元に肝心のプリンターがない場合があります。
その場合は、紙に印刷する場合と導線がほぼ同じにの、PDFに変換する方法を確実に行えるようになりましょう。
ファイル(データ)管理ができる
ファイルやデータの管理は、コンピューターの効率的な使用にとって重要なスキルです。Windows 11では、エクスプローラーと呼ばれるファイルやフォルダを視覚的に管理・操作するファイル管理ソフトが提供されており、これを使用するとフォルダやデータの操作が行えます。
ファイルの
- コピー
- 移動
- リネーム(名前の変更)
など、日常的なファイル操作を容易に行えます。
ファイル管理のスキルには、
- フォルダの作成と整理
- データの移動とリネーム
- 必要なファイルの検索
などが含まれます。整理されたファイルは、作業効率を向上させるとともに、重要なデータの紛失を防ぐ役割も果たします。
マウス操作にあるドラッグアンドドロップも駆使し、ファイル管理を行えるようになりましょう。
まとめ
現代の事務職において、パソコンスキルはとても重要です。事務職では、基本的なパソコン操作が求められますが、特定の業界や職種に応じて、さらに高度なスキルも必要になることがあります。事務職は企業の運営における中心的な役割があり、効率的な業務遂行のためには適切なパソコンスキルが不可欠ですので、ここで紹介した9つのスキルを会得しましょう。