会社のパソコンの故障は、ある日突然やってくることもあります。この記事では、会社のパソコンが故障するとどうなるのか、パソコンの故障の原因、パソコンの故障修理などについて紹介します。また、パソコンの故障の際に大切なバックアップについても解説。この記事を読んで、突然のパソコンの故障に備えましょう。
1.会社のパソコンが故障すると何が起きるか
1.1 情報が失われる
会社のパソコンが故障すると、パソコンに保存されている重要なデータが失われる可能性があります。クラウドにバックアップがあれば情報を復元することができますが、HDDの故障の場合、データの復元が難しくなります。
1.2 交換に手間がかかる
会社のパソコンが壊れた場合、修理または交換が必要です。修理では、故障箇所特定のための診断に時間がかかる場合があり、パソコンの修理業者との対応や手続き等で手間がかかるかもしれません。パソコン交換の場合は、新しいパソコンのセットアップや既存のデータの移行作業が必要です。
1.3 費用が発生する
パソコンの修理や交換には費用がかかり、修理にかかる費用は、故障の程度や必要な部品によって変わります。交換の場合は、新しいパソコンの購入費用が発生します。また、データの復旧・データの移行などのサービスを業者に任せる場合は、追加の費用が必要です。
2.パソコンの故障の原因
会社のパソコンが故障すると、どのような問題があるのか分かったところで、ここではパソコンの故障について解説します。パソコンの故障には、物理的なパーツや機器のハードウェアの故障と、ソフトウェア(WindowsなどのOSやアプリ)の故障に分けられます。
2.1 ハードウェアが壊れる主な理由
ハードウェアが壊れる主な理由は、寿命や衝撃・力を加えた場合などが挙げられます。ここでは、その詳細について説明します。
・寿命
パソコンのハードウェアは、家電製品などと同じで時間とともに劣化し、故障する可能性があります。例えば、ハードディスクドライブ(HDD)は、長時間の駆動や機械部品の劣化・摩耗により、データの読み書きエラーなどが発生する場合です。その他、電源なども機械部品の劣化により使えなくなることがあります。バッテリーも長期間使い続けると、劣化し充電できなくなる場合があります。
・落下などの強い衝撃
パソコンが床に落下したり、物にぶつかったり・物をぶつけたりするなどの強い衝撃を受けると、SSDなどのハードウェアの部品が破損する可能性があります。他には、ノートパソコンの液晶ディスプレイが割れる、HDDが物理的な損傷を受け動かない場合などです。メモリやCPUに衝撃が加わることで、パソコンが起動しなくなることも考えられます。
・静かに長い力を加えた
例えば、重量物がパソコンの上に置かれているなど、ノートパソコンに長時間にわたって一定の圧力がかかると、基盤(CPU・メモリ・マザーボードなど)が歪むなどの問題が生じる可能性があります。他には、冷却ファンが故障して回転しなくなり、過熱が起きることで熱暴走を起こし、ハードウェアが損傷する場合などです。
2.2 OSが壊れる理由は様々
WindowsなどのOSが壊れる理由は様々あります。OSは、ソフトウェアの中でも中心的な役割を果たす大切なソフトウェアです。OSが動かなくなると、パソコンが起動しなくなったり、途中でフリーズしてしまうこともあります。理由は、ウィルスやシステムファイルの誤動作などが挙げられます。
・消してはいけないシステムファイルを消してしまった
WindowsなどのOSに必要な、システムファイルを誤って削除した場合、OSが正常に動作しなくなる可能性があります。
・コンピューターウィルスにやられた
インターネットを閲覧中に不正なプログラムやマルウェアに感染した場合、OSが破損し起動できない、情報の漏洩などの症状が起こります。ウィルスやマルウェアは、個人情報の盗難やシステムの破壊を目的としていることもあるので注意が必要です。
・正常にシャットダウンできなかった
パソコンがクラッシュ・フリーズしたときに、電源を強制的に切るなどして正常にシャットダウンできなかった場合、OSが損傷する可能性があります。強制的なシャットダウンは、ファイルの書き込みやシステムの正常な終了処理が適切に行われず、OSのエラーやデータの破損に繋がります。
3.故障したパソコンの修理について
故障したパソコンの修理は、ハードウェアが原因の場合とソフトウェアが原因の場合があります。ハードウェアの修理は、部品交換や修復、ソフトウェアの修理はOSの入れ直し(リカバリ)などが行われます。パソコンを修理に出す場合、修理やリカバリの際にデータが消える恐れがあるので、バックアップを取ることが大切です。
3.1 ハードウェアが原因の場合
ハードウェアが故障した場合、修理が必須です。マザーボードや電源ユニットなどは、修理代が高くつくこともあるため、交換のほうが良いことがあります。
パソコンのハードウェアの故障が原因である場合、修理が必要です。ハードウェアとは、パソコンの物理的なパーツ類のことです。具体的には、マザーボード・CPU・メモリ・ハードディスク、電源ユニットなどがハードウェアに含まれます。
パソコンのハードウェアの修理では、故障した部品の交換や修復作業が必要です。修理代は、故障した部品の種類や交換にかかる作業の時間・難易度によって変わります。マザーボードなどの一部の修理では、高額な費用がかかる場合もあり、新しいパソコンを購入した方がコストパフォーマンスが高い場合があります。
3.2 ソフトウェアが原因の場合
ソフトウェアが故障した場合、最近ではOSの自動復旧機能により復旧する場合もあります。しかし、状態によってはOSのリカバリ(Windowsなどの入れ直し)が必要です。
OSのリカバリは、パソコンのオペレーティング・システムを再インストールする作業です。これにより、購入時の状態(工場出荷状態)になり、OSやソフトウェアの問題やエラーが解決され、パソコンが正常に動作するようになります。
ソフトウェアの修理やOSのリカバリをするためには、パソコンを修理業者やメーカーのサービスセンターに預ける必要があります。このためパソコンが手元から離れるため、修理やOSのリカバリの際には、データのバックアップを取ることが重要です。
データのバックアップを取ることで、修理やリカバリの際に発生するデータの損失を防ぐことが可能です。OSのリカバリディスクは購入時に付属してありますが、「システムファイルを回復ドライブにバックアップ」を選択することで、自分で作成することも可能です。回復ドライブのメディアは、「USBメモリ」「CD-R」「DVD-R」「BD-R (Blu-ray)」などがあります。
(パソコンの修理・見積もり例)
診断・修理見積もり | ||
診断・見積もり | 0円 | 専用の機器・ソフトを使用して診断 |
追加検査費 | 2,200円〜 | 特殊な故障状況や部品の著しい破損など |
証明書発行(1通) | 3,300円〜 | 各種保険適用の為の診断書 |
ハードウェア分解・清掃作業 | ||
本体分解 | 5,500円〜 | パソコン内部の目視レベルでの交換作業 |
電源修理 | 8.800円〜 | 電源ユニット内部のパーツ交換など |
OSリカバリ・ソフトウェア関連作業 | ||
OSリカバリ | 4,400円 | パソコンを購入時と同じ、工場出荷状態に戻します。 |
ウイルス駆除 | 8,800円 | コンピューターウィルスの駆除 |
4.パソコンの故障に対する備えについて
ここでは、パソコンの故障に対する備えとして、IT資産管理や予算・余剰パソコンの用意・バックアップなどについて説明します。パソコン管理台帳(PC管理台帳)は、自分でExcelなどで作成することもできますが、最近ではSaaSでITデバイスを管理するソフトウェアも登場しています。
4.1 パソコンの台帳管理( PC管理台帳 )を作る。
(台帳に記載する内容例)
・購入日
各パソコンの購入日を記載しておくことで、保証期間や寿命を把握することが可能です。
・メーカー保証を確認
各パソコンメーカー保証の、保証期間や保証内容を記載します。これで故障時に、保証を利用できるかどうかを把握することが可能です。その他、OSの更新状況やソフトウェアライセンスの情報などを記載します。これにより、データ更新で発生する無駄な出費を抑えたり、適切なタイミングでパソコンを買い換えたりすることができます。
・その他
パソコンの型番や仕様、各種付属品・OSの更新状況・ソフトウェアライセンスなど、必要な情報を追加で記載します。また、各パソコンについてのメモやトラブルの履歴なども書き留めておくと、将来のトラブル防止が可能です。
4.2 予算を確保しましょう
パソコン管理台帳を作り、寿命を迎えるパソコンを把握することで、予算を管理しやすくなります。パソコンの寿命は限られており、故障やアップグレードの必要性は高まります。そのため、パソコン管理台帳を作成し、寿命を迎える可能性が高いパソコンを把握することで、予算を適切に確保することが可能です。
4.3 予備のパソコンを用意しておきましょう
会社のパソコンの故障時に備えて、予備のパソコンを用意しておくことは大切です。これは、スマートフォンやタブレットにも言えることです。パソコンの故障や修理によって止まった仕事を最小限に抑えることができます。
予備のパソコンは、バックアップの用途や仮の作業環境としても役立ちます。また、メインのパソコンの内容をそのままコピーして使用することも可能です。また、中古のパソコンや予備のパーツを手に入れることで、比較的低コストで予備のパソコンを用意することも可能です。
4.4 まとめ買いがおすすめ
会社や家でもそうですが、パソコンの故障に備えるためには、予備のパソコンや予備の部品、消耗品を手元に用意しておくことも重要です。それらをまとめ買いをすることで、故障リスクも回避でき、個別に購入するよりもコストを削減することができます。
4.5 パソコンデータのバックアップ
これらの問題を避けるためには、定期的なバックアップと予防保守が重要です。重要なデータはバックアップし、オンラインストレージや外部ハードドライブやNASなど、安全な場所に保存しておくことがおすすめです。また、パソコンのソフトウェアやハードウェアの定期的なメンテナンスも、トラブルを予防することに役立ちます。
5.まとめ
ここまで、「会社のパソコンが故障するとどうなるか」「故障の原因」、「修理・故障に対する備え」などについて説明してきました。会社のパソコンの故障は、業務に直接影響するので充分に備えることが大切です。
また、最近はクラウド(SaaS)による電子データの保存など、バックアップの重要性も高まっています。そこで、クラウドや外部ストレージやNASなどによるバックアップが重要です。
また、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスの予備を準備しておくことで、故障時の業務に対処できます。他にも、パソコン管理台帳によるソフトウェアのバージョン管理や認証管理、最新のウィルスパッチなどを把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。