この記事では、持ち出しの多い営業パソコンに必要な、USBハブの選び方を紹介します。営業用のパソコンは、コンパクトなサイズが多いため、拡張用の端子が不足する場合があります。
そんな時、USBハブがあればポート拡張することができ、USBメモリやスマートフォンなど各種周辺機器を接続することが可能です。ここでは、そんなUSB機器の選び方や特徴・使用目的の明確化などを紹介します。これを読めば、営業パソコンにピッタリのUSBハブを選べるはずです。
1.USBハブの選び方のポイント
ここでは、USBハブの選び方のポイントを紹介します。USBハブは、接続ポートの数・USB規格・電源が給電できるか、サイズ・カードリーダーなどの追加機能があるかで選びます。次に、これらの項目について詳しく説明します。
1.1 接続ポートの数は足りるか
USBハブの目的は、複数のUSBデバイスを接続することです。営業用パソコンの場合、軽量コンパクトなサイズが多いので、使えるUSB端子の数も限られています。USBハブを選ぶときは、トータルで使用するUSBデバイスの数を考えて、USBハブを選びましょう。
例えば、ノートパソコンにUSB端子が2つしかない場合、一般的なタイプの4つのポートを持っているUSBハブが便利です。それ以上ポートが必要な場合は、対応したUSBハブを選びます。
1.2 USB規格は合っているか
USBハブは、さまざまなUSB規格をサポートしています。現在はUSB3.1が主流となっており、転送速度は5Gbps〜10Gbpsとなっております。これらの規格をサポートしているUSBハブを選ぶと、大容量の動画や音楽ファイルやアプリなどを高速で転送することが可能です。
各規格の転送速度の比較 | ||
---|---|---|
規格 | 転送速度 | 倍率 |
USB 1.1 | 12Mbps | USB 3.1 Gen 2と 約820倍の差がある |
USB 2.0 | 480Mbps | 約40倍 |
USB 3.1 Gen 1 | 5Gbps | 約10倍 |
USB 3.1 Gen 2 | 10Gbps | 約2倍 |
1.3 電源供給機能があるか
USBハブは、接続された機器に電力を供給するためのポートも備えています。パソコンから電力を供給するバスパワータイプと、ACアダプターを使って電力を給電するセルフパワータイプがあります。
USBハブを使用して給電する場合は、接続する機器に十分な電力を供給できるか確認しましょう。特に電力を消費する外付けHDD(外付けハードディスク・ドライブ)などを接続する場合は注意が必要です。
1.4 デザインとサイズにこだわる
USBハブは、デスクの上に置いたりデスクの周辺に配置されることが一般的です。デザインやサイズで選ぶ場合、自分の環境に合ったものを選ぶことが大切です。一部のUSBハブは、軽量コンパクトなサイズやスタイリッシュなデザインを備えています。
1.5 追加機能があるか
USBハブの中には、追加の機能がある機種もあります。例えば、機器の充電ポートやSDカードリーダーなどが組み込まれている場合があります。USB端子以外にも必要な機能がある場合、それに適したものを選択することも重要です。
2. USBハブの利用目的を明確にする
USBハブの利用シーンを考えることで、理想のUSBハブを選ぶことができます。事務所や
自宅で使用する場合と出先で使用する場合があります。
2.1 事務所や自宅に戻ったときにUSBハブを使用する(据え置き用)
事務所や自宅で使用するUSBハブは、本体が大きく拡張性が高いのが特徴です。接続には、ACアダプターを使用する場合があります。利用シーンは、事務所や自宅での使用時に外付けのHDDを接続したり、SDカードを使用したりする拡張機能を多用する場合です。
このシーンで使用するUSBハブの特徴として、本体サイズが大きく、接続ポートの数が多いことです。また、一部のセルフパワータイプのUSBハブは、ACアダプターが必要な場合があります。これらの据え置き型のUSBハブは、複数の機器を同時に接続して効率的に作業を行うことができます。
2.2 出先で拡張する(持ち運び用)
出先で使用するUSBハブは、持ち運びがしやすいように本体は計量コンパクトなのが特徴です。
出先で増やせる、ポートの数は少ない場合があります。出先で使用するためには、本体が小型かつ軽量であるUSBハブが望ましいです。持ち運びが簡単で、かさばらないUSBハブを選びましょう。
ポートの数は、目的に合わせて必要なポート数を選択します。出先での使用には、普通2〜4ポートのUSBハブで十分ですが、使用する機器の数に応じてポート数を選びましょう。
電力供給は、パソコンから電力を供給するバスパワータイプがおすすめです。バスパワータイプは、パソコンのUSB端子から電力を供給できるので便利です。
USBハブは、接続する機器との互換性が重要です。USBの規格(USB2.0,USB3.0 )やポートタイプ(USB-A, USB-Cなど)に対応しているかを確認し、使用するデバイスとの接続がスムーズに行えるかが大切です。
必要に応じて、USBハブに追加の機能があるかどうかも検討しましょう。例えば、充電ポートやSDカードスロットなどがあると便利です。
3. USBハブを接続するパソコンを確認する
まずは、使用している営業用のパソコンにどれくらいのポートがついているかを確認しましょう。主なポートのタイプは、USB Type-AやUSB Type-Cなどがあります。それぞれのポートの数を確認して、必要な拡張ポートの数を把握することが大切です。
3.1 パソコンのポート数を確認 (TYPE-A、TYPE-Cはそれぞれ何個?)
ノートパソコンの外側に物理ポートが配置されている場合は、直接見て確認することができます。USB Type-Aの場合は矩形(さしがね:垂直)のポートで、USB Type-Cの場合は小さな楕円形のポートです。
3.2 電源は専用か、TYPEーC かどうか
一部のUSBハブは、専用のACアダプターを必要としますが、出先での使用時にはポータブル性を重視して電源を持ち運ばない方が便利です。USB Type-C給電(バスパワータイプ)に対応したUSBハブは、USB Type-Cポートを使用してパソコンやモバイルデバイスから給電が可能です。そのため、追加の電源アダプターを持ち歩く必要がありません。
4. 増やしたいUSBポートの種類・数を確認する
増やしたいUSBポートの種類・数を把握することで、必要な大きさのUSBハブを選ぶことができます。
USBポートの種類 | ||
---|---|---|
タイプ | 必要な数 | 用途 |
TYPE-C | 2 (本体+追加) | スマホ接続、マウス・キーボード接続、電源の給電など |
TYPE-A | 3 (本体+追加) | マウス・キーボード接続、USBメモリ接続など |
HDMI | 本体に付いていれば不要 | 外部ディスプレイの接続 |
D-SUB | 不要(古いプロジェクタで使用) | 外部ディスプレイの接続 |
LAN | 無線の調子が悪いなどがない限りは不要 | ネットワーク接続(無線の調子が悪い時に使用) |
SDカードリーダー | 本体に付いていれば不要 | スマホ・デジカメのデータ読み取り・書き込み |
4.1 TYPE-C
USB TYPE-Cは、2023年のiPhone15(仮:予定)やAndroidなどのスマートフォン、マウス・キーボードなど多くの外部機器で採用されています。必要なポートの数は、普通は全体(本体+追加のポート)で2つあれば十分です。多くの現代のデバイスがTYPE-Cポートを採用しているため、TYPE-Cのポートが2つあれば多くの接続ニーズを満たすことができます。
4.2 TYPE-A
USB TYPE-Aは、従来のマウスやキーボード、USBメモリなど多くの外部機器で採用されています。TYPE-Aポートは、従来のUSBポートとして広く使用されています。このタイプは、一般的なデバイスや周辺機器に接続する際に便利です。ポートの数は、全体で3つ程度あれば十分です。
4.3 HDMI
HDMIポートは、主に外部ディスプレイやテレビとの接続に使用されます。営業用のパソコン本体にHDMIポートが備わっていれば、追加のHDMIポートは不要です。
4.4 D-SUB
D-SUBポートは、古いプロジェクターやディスプレイ等で使用されることもありますが、最近ではあまり使用されていません。そのため、一般的な利用シーンでは不要なポートです。
4.5 LAN
LANポートは、インターネット・ルーターなどを介して各通信機器と接続するポートです。無線LANの接続状況に問題がない限り、USBハブでLANポートは必要ありません。ワイヤレス接続が安定している場合は、追加のLANポートは不要です。
4.6 SDカードリーダー
SDカードリーダーは、大容量の画像や音声ファイルを保存できるSDカードのスロットです。営業用のパソコンの本体にSDカードリーダーが備わっていれば、追加のSDカードリーダーは不要。SDカードを頻繁に使用する場合は、パソコン本体にSDカードリーダーがあるか確認しましょう。
5. USBハブ本体の外部給電有り・無し
1つのUSBポートからの消費電力(ワット(W)数)には上限があるため、増やせるポートの数には限界があります。しかし、USBハブへ外部給電をすることで、増やせる限界数を増やすことが可能です。
5.1 外部給電無しの場合
全てのUSBポートを使用すると、電力が足りなくなることもあるので注意しましょう(※スマホが安定して充電できなくなる等)。その結果、接続されているデバイスの安定性に影響が出ることがあります。
5.2 外部給電有りの場合
USBポートの数を最大限に活用する場合は、外部給電がおすすめです。これにより、より多くの機器を同時に接続でき、機器の安定した動作も確保可能です。
セルフパワータイプ:事務所や出先のコンセントからACアダプターを使用して、多くの電力を供給可能です。このタイプは、外部ディスプレイや外付けHDDなどにも対応します。
バスパワータイプ:パソコンのバッテリーから電力を供給可能。このタイプは、スマートフォンの充電やUSBメモリ・SDカードリーダーの使用など、電力をあまり使用しない場合におすすめです。
ポート数や利用する機器の消費電力に応じて、外部給電の有無を考えます。使用する拡張機器の仕様や取扱説明書を確認して、適切な電力供給の仕方を選択しましょう。
6.まとめ
ここまで営業パソコンに必要なUSBハブの選び方について紹介してきました。最近パソコン本体には、USB-C端子が2つしか搭載されていない機種も珍しくありません。出先で通常の書類作成やオンラインミーティングをする位なら、それでも足りますが、さらに機器を拡張する場合にはUSBハブがあると便利です。
USBハブの選び方は、利用シーンに合わせて選ぶか・パソコンに最初から搭載されているUSB端子の種類・数から選ぶと間違いがありません。例えば、出先の会議でプロジェクターや外部ディスプレイを接続する場合、AC電源から給電できるセルフパワータイプのUSBハブがおすすめです。また、USBメモリやスマホなどを接続する場合、パソコン本体のバッテリーから給電できるバスパワータイプのUSBハブがおすすめです。
このように、用途と営業用のパソコンに搭載されているポートの両方を考えてから選ぶと、目的のUSBハブを選ぶことができます。ぜひ、この記事を参考に自分にピッタリのUSBハブを探してみて下さい。