「ノートパソコンの画面が小さくて見づらい……」
「作業画面をいちいち切り替えるのが面倒!」
在宅勤務や会社で事務仕事をしていると、こんなお悩みが出てきますよね。
仕方がないと我慢している方も多いのではないでしょうか。
でも、もう我慢する必要はありません。
現在ご使用のノートパソコンに、外付けでモニターを追加できることをご存知ですか?
モニターを外付けすれば、画面を大きく使えたり、複数の画面にできたりします。
単に見やすくなるだけでなく、作業効率も格段に上げられるのがメリットです。
今回はモニターの種類や特徴、表示方法などを解説します。モニターを追加して、快適な事務仕事をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
モニター(パネル)の種類と特徴
モニター(パネル)について、以下の5点にわけて解説します。
1. パネルの大きさ
2. パネルの種類
3. アスペクト比
4. 視野角
5. 解像度
これらをおさえておけば、モニターの基礎知識は十分です。
1. パネルの大きさ
モニターは、ノートパソコンと同じくらいの小さなパネルから、大型テレビのような大きいパネルまで、さまざまなサイズが用意されています。
事務仕事で使い勝手の良いサイズは「17.3〜27インチ」で、これらのサイズはラインナップも多いです。あまり大きすぎても、モニターとの距離が近い場合は、かえって見づらくなるため注意しましょう。
2. パネルの種類
パネルは大きくわけて、以下の2種類があります。
1. 液晶
2. 有機EL
メリットやデメリットを理解して、モニターを選びましょう。
1. 液晶
一般的に普及しているのは、液晶です。液晶分子は電圧をかけると配列が変わる性質があり、光の透過率を調整できます。
偏光フィルターとカラーフィルターを組み合わせて、後ろからバックライトで照らすことにより、さまざまな色表現を可能にしています。
価格がリーズナブルで寿命が長く、焼き付きもないのがメリットです。有機ELに比べると薄型化や軽量化が難しく、黒の表現や発色に劣るデメリットがあります。
2. 有機EL
近年、人気のあるのが有機ELです。有機物に電圧をかけると発光する性質を利用しています。
有機物自体が発光して、さらに有機物の種類によって発光する色が異なります。そのため、液晶のようにバックライトやカラーフィルターが不要です。
液晶に比べ薄くて軽量なほか、黒の表現や発色が綺麗で高精細なのがメリットです。ただし、高価でありながら寿命が短く、焼き付きも発生しやすいデメリットがあります。
3. アスペクト比
アスペクト比は、モニターの横と縦の比率です。
現在はワイド型の「16:9」が主流です。YouTubeの動画の多くは16:9で作られており、テレビも16:9で放送しています。
20年くらい前までは、スクエア型の「4:3」が一般的でした。ほかに「16:10」や「21:9」もありますが、あまり標準的ではありません。
4. 視野角
視野角とは
視野角とは、上下または左右からモニターを正常に見ることのできる範囲を指します。
たとえば真正面を0°として、左右斜め45°まで正常に見えるのならば、視野角は90°です。
近年は、視野角178°の広視野角モニターが多くなっています。視野角が広いと、モニターを左右に離して置いても画面が見づらくなりません。
また、モニターを囲んで複数人で画面を見るときも、視野角が広いと見やすくて便利です。これは覗き見されやすいことも意味するため、必要であれば覗き見防止フィルターで対策しましょう。
視野に関するパネルの種類(IPS・VA・TN)
液晶パネルには以下の3種類があり、それぞれ視野角に特徴があります。
1. IPS(In-Plane Switching)
2. VA(Vertical Alignment)
3. TN(Twisted Nematic)
特徴を把握して、ニーズに応じたモニターを選びましょう。
1. IPS(In-Plane Switching)
IPSパネルはもっとも視野角が広く、画面を斜めから見ても色やコントラストがほとんど変化しません。ただし、応答速度がTNパネルに比べて遅く、一部の高速なゲームや動画では、ぼやけや残像を引き起こす可能性があります。
2. VA(Vertical Alignment)
VAパネルは、IPSパネルとTNパネルの中間ぐらいの視野角です。IPSパネルと同等の色再現性をもつほか、黒の表現が得意でコントラスト比が高く、動画や映画鑑賞などに向いています。
3. TN(Twisted Nematic)
TNパネルは、ほかの2つに比べると視野角や色再現性に劣ります。しかし、非常に高速な応答速度をもち、動きのある映像やゲームでも残像を最小限に抑えます。価格もリーズナブルです。
5. 解像度
解像度とは
解像度とは、モニターを構成しているドットの数を表します。ドットはそれぞれが点灯し、ドットの数が多いほど高精細で解像度が高いとされます。
解像度は「横×縦」の形で表現され、単位はピクセルです。たとえば解像度が「1920×1080」ならば、ドットが横に1920ピクセル、縦に1080ピクセル並んでいることを意味します。
解像度の種類(HD・FDH・WUXGA・WQHD・4K・8K)
解像度にはさまざまな種類があります。ここでは6点をご紹介します。
1. HD
HDは、High Definitionの略称で「1280×720」の解像度です。ハイビジョンとも呼ばれます。一昔前のモニターでは一般的でした。
2. FDH
FHDは、Full High Definitionの略称で「1920×1080」の解像度です。フルハイビジョンとも呼ばれます。現在の主流で、多くのコンテンツがこの解像度で提供されています。
3. WUXGA
WUXGAは、Wide Ultra-XGAの略称で「1920×1200」の解像度です。16:10のアスペクト比で、一部のプロフェッショナル用途や、グラフィック関連の作業に適しています。
4. WQHD
WQHDは、Wide Quad-High Definitionの略称で「2560×1440」の解像度です。HDに比べて縦横2倍、全体で4倍のピクセル数をもち、鮮明な画像を提供します。
5. 4K
4Kは「QFHD(Quad-Full High Definition)」や「UHD(Ultra HD)」とも呼ばれ、解像度は「3840×2160」です。FHDに比べて縦横2倍、全体で4倍のピクセル数をもちます。非常に高い解像度で、映画やゲームなどのメディアコンテンツや、プロフェッショナルな画像編集などに使用されます。
6. 8K
8Kは「SHV(スーパーハイビジョン)」とも呼ばれ、解像度は「7680×4320」です。4Kに比べて縦横2倍、全体で4倍のピクセル数をもつ次世代の高解像度で、まだ一般的ではありません。しかし、将来的には主流になる可能性があります。
外付けモニターへの表示方法
映し方
外付けモニターは用途に応じて、映し方を変えられます。
複製する(ミラーリング)
ミラーリングは、ノートパソコンの画面をそのまま複製します。会議やプレゼンなどで、ほかの人に同じ画面を大きなモニターで見せたいときに便利な使い方です。
拡張する(デュアル)
デュアルは、ノートパソコンの画面を拡張できます。もうひとつデスクトップ画面が追加されるため、作業画面を切り替える必要が減り、事務仕事の効率が格段に上がります。
シングル(モニターのみを表示する)
ノートパソコンは閉じて、モニターのみを表示させることも可能です。デスクトップパソコンと同じ感覚で、ノートパソコンを使えます。操作には外付けのキーボードとマウスが必要です。
画面の向き
モニターは一般的な横向きのほかに、回転させる機能を利用したり、モニターアームを使用したりして縦向きにもできます。その際は、ノートパソコンのディスプレイ設定にある「横」「縦」「横(反対向き)」「縦(反対向き)」から適当なものを選び、画面の向きを合わせます。
まとめ
今回はモニターの種類や特徴、表示方法など、モニターの基礎知識を中心に解説しました。
次回は「据え置きする」「会議などで投影する」「持ち歩きする」など、それぞれの目的に応じたモニターを紹介していきます。
そちらもぜひご覧になって、モニター選びの参考にしてみてください。